小形風力発電の導入・検討のポイント

風が強く吹く場所を探す

風力発電設備を設置する場合多くの条件が有りますが、一番大切なことは、風が強く吹く場所であることです。ただ、人の感覚で風が強く吹くということだけでは事業上の試算も出来ませんので、以下のような方法で風の吹く場所を探し、データを入手します。

NEDOの局所風況マップ等で風の吹く候補地を選定します

NEDOがインターネット上で公開しているデータで、以下の画面のように全国の年間平均風速が地図上に色分されており簡単に見分けることが出来ます。
NEDOの局所風況マップ
風況マップは500m四方まで拡大が出来、ある程度場所の限定が出来ますが、最低表示高度が30mとなっていますので、SWP-19.8kWのハブ高さ18mでの風の強さを知るためには、高度が高いほど風が強く吹くことを考慮し、一定の数値を割り引いて(約85〜90%)参考とする必要があります。

小形風車の設置が可能な場所か?

小形風車の設置において、大型風車に比べれば各種規制が少なく設置できる場所の可能性は広がりますが、地域とのトラブルも増える可能性が有ります。設置場所の選定において以下の点に注意することが必要です。

(1)小形風車の設置に関して土地に関する規制の確認を行う

国土交通省が公開している土地利用調整総合支援ネットワークシステム(LUCKY:Land Use Control bacK-up sYstem)等を活用し土地の規制に関する情報を得ます。
土地利用調整総合支援ネットワークシステム

(2)小形風車の設置場所に関する関係法令を確認する

電気事業法、電気用品保全法、道路法、電波法、航空法、消防法、騒音規制法、森林法、自然環境保全法、自然公園法など。
法規制例
小形風車の設置高さによる規制
法規制 内容 設置高さ
電気事業法 特定支持物として安全性の確認 15 m
落雷保護処置の要否 20 m
電波法 総務大臣への届出の要否 31 m
航空法 航空障害灯等 60 m

(3)住宅等からの小形風車の離隔距離について

@ 小形風力発電機の離隔距離の考え方には、騒音と風況に関する2つの側面があります。騒音に関しては地域による法規制値を満足することが必用です。また、風況に関しては、風の流れを妨げるような建物や樹木等の影響を受けない距離を取っての設置が必用です。
A SWP-19.8kWはこのクラス最高の静音性を達成していますが、住宅等から100m以上の離隔を取ることを基本と考えます。
B また、条例で住宅等からの離隔距離を明確に示している自治体もあるため自治体への確認も必要です。
C 地域の状況により、運転開始後に地域とのトラブルを回避するためにも、小型風力発電機の設置についての説明を事前に行い、理解を得ることも必要です。

(4)周囲障害物からの離隔距離について

風の強い地域であっても、小形風車を設置する場所の直近に高さのある障害物が有れば、小形風車に有効な風が当たらない可能性があります。そのため、風の特性を考慮して障害物の高さにより一定の離隔距離(高さ×10倍以上の離隔距離)が取れることを確認します。
周囲障害物からの離隔距離

(5)周囲の地形による設置場所の検討

小形風車の設置を予定している周囲地形の起伏によっては、小形風車に有効な風が当たらないだけでなく、乱流の発生により、小形風車にダメージを与える可能性があります。風車に向かい緩やかに上がるような地形であれば、風の加速等が期待できますが、解析等行わない限り確約できるものではないため、現実的には一定の離隔距離が保てないのであれば、小形風車設置に有効な場所ではないと判断すべきです。
周囲の地形による設置場所の検討

(6)複数台設置時の設置場所の検討

状況により、複数基の小形風車を同一地域に設置する場合、風車の風下に形成される風況の乱れたウェーク領域には風車を設置しません。ウェーク領域は風向と直角方向に3D、風下方向に10D程度であることが確かめられています。風況マップで確認できる風配図の風向出現率や風向別平均風速から卓越風向を確認し、ウェーク領域に風車が入らない設置を考えます。(D:ローター径:14m:SWP-19.8kW)

卓越風向が明確な場合、SWP-19.8kWの複数台設置は以下の図に示すような配置を目安とします。
SWP-19.8kWの複数台設置
卓越風向が明確でない場合、SWP-19.8kWの複数台設置は以下の図に示すような配置を目安とします。
SWP-19.8kWの複数台設置

(7)既設配電線までの距離による設置場所の検討

小形風車の設置を予定している周囲に、高圧又は低圧の既設配電線が100m程度以内にあることを基本と考えます。配電線の種類及び系統の裕度によっては、柱上変圧器等が連系のために必用となりコスト差が生じますが、この距離が設置場所として適地であるかどうかの基本的な目安の一つとなります。
既設配電線までの距離

(8)小形風車設置に必要な敷地面積について

小形風車の設置を予定している敷地に必要な面積は、目安として40m×20m=800uとなります。小形風車SWP-19.8kWは、タワーを倒した状態で組立及び保守を行うため、敷地には倒すための広さと、小形クレーン車による組立ができる広さが必要となります。
小形風車設置に必要な敷地面積

(9)小形風車設置に必要な運搬路について

小形風車の設置を予定している敷地までの運搬路に関しては、10tトラック車が通行できる道路が設置場所に隣接していることが必要です。